山本博志四段(26)に取材を依頼したのは、昨年12月に叡王戦の四段戦で優勝したからだった。本連載に登場した古賀悠聖、徳田拳士という今期7割以上の高勝率を誇る新鋭を連破して本戦入りを決めたことが好調の証である。
勝っている若手棋士の話は気持ちがいい。彼らの前には輝かしい未来が開けており、悩みながらもそこに突き進もうとする覇気がある。山本の話もそうだったが、予想外だったのは壮絶な背景だ。
山本の四段昇段は2018年10月。まず約4年間の棋士人生の総括を依頼すると、山本は「なるほど」と言ってから黙り、意を決したように言葉を紡ぎ始めた。
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photograph by Kanta Yokoyama(Illustration)