パリ五輪で60年ぶりの団体メダルを目指す女子体操競技に、期待の新星が誕生した。16歳の岸里奈(戸田市スポーツセンター)だ。10月にベルギー・アントワープで行なわれた世界選手権女子団体総合予選で日本のパリ五輪団体出場権獲得に貢献し、女子個人総合では日本選手トップの11位と大健闘。ジュニア時代を含めて初の国際大会出場とは思えない堂々たる演技を見せ、ポテンシャルの高さを示した。
「来年に向けて良いスタートを切れました」。はにかむような笑顔には初々しさがあったが、言葉には力強さがみなぎっていた。
大会3日前に足に痛みを感じるも、本番では完璧な演技。
周囲が驚く強心臓も見せた。ピンチに見舞われたのは女子団体総合予選の3日前。本番を想定した会場練習の跳馬で着地した際、右ふくらはぎに「ピキッという痛み」(岸)を感じ、その場でうずくまった。岸は代表選考会だった5月のNHK杯で個人総合2位になった実力の持ち主で、世界選手権初出場ながら日本女子チームの大きな得点源。パリ五輪団体出場権獲得を至上命令とする日本陣営は緊迫感に包まれた。
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