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《DeNA大貫晋一の視点》明暗を分けた4回2アウトからの攻防「印象的だった宮城の感情迸るガッツポーズ」<日本S第2戦詳細解説>

2023/11/11
オリックス先発の宮城は先制点をもらった直後の4回、2死一、二塁のピンチで阪神ノイジーを空振り三振に斬る(写真)など、6回無失点の好投。打線は阪神先発の西勇からスタメン抜擢の西野、廣岡らの適時打もあり、終わってみれば前日と逆のスコアで1勝1敗に。

フォークで三振。際どい判定後に投げきった宮城。

「野球は2アウトから」と言いますが、まさに2アウトからの勝負が鍵となった4回の攻防が明暗を分けたと思います。

 まず4回表、阪神打線に対峙したオリックス・宮城大弥投手の投球。併殺で2アウトを取った後に連打を許して一、二塁となり、打席にノイジー選手を迎えた場面です。カウント2-2からインサイドに投じた素晴らしいストレートが、際どいところでボール判定を受けました。悔しそうな様子が表情にも出ていましたが、直後にフォークボールを低めに投じて空振り三振。この集中力の高さには本当に感心しました。

 ピッチャーからすると、ああいう場面は本当にしんどいんです。会心のボールを投じて決まったと思っているところで、もう一度気持ちを立て直さなければいけない。フルカウントになり、僕ならばどうしてもストライクゾーン内に投げたいと思ってしまいます。そこをボールゾーンに投げ切って三振を奪った。勝負どころで宮城投手が耐えて、勝ったという場面でした。普段あまり見せない感情迸るガッツポーズは印象的でしたし、その思いが次のオリックスの攻撃に繋がったのでしょう。

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photograph by Hideki Sugiyama

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