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《緒方孝市の視点》佐藤輝の盗塁とノイジーの右打ちを「岡田監督の覚悟の強さが後押しした」<日本S第1戦・詳細解説>

2023/11/11
阪神村上、オリックス山本の両エースが先発。阪神は5回、佐藤輝が安打で出塁すると、次打者の初球に二盗を敢行(写真)し、渡邉諒の適時打で先制。近本、中野にも適時打が飛び出すなど、6回途中で山本をKOした。村上は7回無失点で、阪神に先勝をもたらした。勝負のポイントを広島カープで監督も務めた緒方孝市氏が解説する。

 阪神はいいところばかりが出て、最高のスタートを切りました。オリックスのエース山本を崩せるかは、日本シリーズの大きな焦点でしたが、チーム全体に浸透する走塁や打撃の「強み」を発揮したと思います。

 勝負の綾は、5回、先頭で出塁した佐藤輝の二盗でした。私は「ここで初球スチールか」と感じました。まさに「意表を突かれた」という表現がピッタリな作戦でした。

 監督はゲームの流れに敏感です。阪神は序盤から仕掛けがうまくいっていませんでした。1回は森下の見逃し三振ゲッツー。4回無死一、二塁で森下にバントはなく、併殺打でした。5回は一塁走者が佐藤輝で打者はノイジーです。基本は「打つ」という攻撃しかない。無死で、しかも初球に佐藤輝が二盗を仕掛けたのは、作戦に2度失敗しても恐れずに突破口を開くという岡田監督の覚悟の強さが後押ししたものです。

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photograph by Hideki Sugiyama

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