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「武器であるbickをどう使うか」絶対的セッター・関田誠大が“分岐点”を語る<代表最年長は若手に「怖がられているかも(笑)」>

2023/09/22
エリート街道を歩んできたバレー人生の途上で、初めて感じた自らの限界。そこで取った行動は、さらなる高みへの上昇気流を呼び寄せる――。“日本の頭脳”である名セッターの原点に迫った。

 2021年に開催された東京オリンピックでのベスト8進出や、記憶に新しいネーションズリーグでの銅メダル獲得など、近年、目覚ましい活躍を見せている男子日本代表。キャプテンの石川祐希や若きエース・高橋藍らがその躍進を支えてきたのは言うまでもないが、彼ら攻撃陣の持ち味を生かし、日本を世界ランキング5位(9月12日現在)にまで押し上げた立役者の一人がセッター・関田誠大である。

 素早い動きでボールの下に入り、どんなレセプションでも打ちやすいトスにする。試合展開を洞察し、瞬時に、最も得点が取れる確率が高い攻撃を選択する。何よりすべてのアタッカーの最高到達点を把握し、彼らが最も打ちやすいトスを上げる。日本代表チームのブレーンである関田のプレーは、今回のパリ五輪予選でも鍵を握るだろう。

 関田は2016年、リオデジャネイロ五輪世界最終予選兼アジア予選で初めてのシニア代表入りを果たした。小学生時代から常に強豪チームで腕を磨き、東洋高校では春高バレーで優勝。中央大の4年時には全日本大学選手権で最優秀選手賞を受賞した。

 常にバレーボール界の王道を歩んできた関田だったが、本人が「分岐点だった」と語る出来事がある。

 2017年、日本代表の選考から落ちたことだ。

 2016年に続き、2017年度の代表候補入りを果たした関田だったが、秋に開催されたワールドグランドチャンピオンズカップのメンバーに自分の名前はなかった。

「これは今後の競技人生のことをいろいろと考えなければいけないなと思いました。まず選考に残ったセッターの人と自分を比較したときに、圧倒的に試合経験が足りない。実力も足りない。もっともっとうまくならなければいけないと思いましたね」

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photograph by Asami Enomoto

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