敵の堅固な防壁をどう攻略するか。カタールW杯のコスタリカ戦で苦しめられた日本の課題。その解決策は「人」にある。
ポイントは横一列に並んだ2本の防御ライン（中列と後列）の隙間に立つ選手たちの働きだ。現在の日本代表は、その隙間で鮮やかに立ち回る技量を備えた人材に乏しい。
ただ、有力な候補者がいる。
伊藤涼太郎。今季J1に昇格したアルビレックス新潟が誇る“ライン間の住人”だ。海千山千の猛者たちを向こうに回し、圧倒的な存在感を放っている。
守備側の厳しい監視の目を逃れ、巧みにパスを引き出し、やすやすと前を向く。しかも、その先の仕掛けが実に多彩。ライン裏を突くスルーパスからワンツー、ミドルレンジの一撃まで取り揃え、それを高速かつ高精度でやってのける。
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photograph by J.LEAGUE
