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「パドックにね、豊ちゃんが来たとき…」キズナと武豊が見せた尋常じゃないオーラ…佐々木調教師が今も抱く後悔とは?《2013年日本ダービー》

2026/05/29
上がり3F33.5秒の豪脚でエピファネイアを差し切り、第80代ダービー馬に
この馬はダービーを獲る。只者じゃない――。仔馬をひと目見てそう思った調教師の野望は、3年後、紆余曲折を経ながらも現実となった。今春に引退した佐々木晶三氏はこうも明かす。最後にあのレースを走らせてみたかった、と。(原題:[本来の適性はマイラー]キズナ「調教師が抱いた後悔」)

 ディープインパクト産駒のダービー馬は7頭いるが、キズナは武豊で勝った唯一の馬である。さらに、種牡馬になってからもすばらしい成績を残し、2年連続でリーディングサイアーになっている。ディープインパクトの後継馬としてふさわしい名馬だ。管理した佐々木晶三もキズナを絶賛する。

「産駒は芝の短距離から中長距離、ダートも障害も走る。こんな種牡馬いないよね。キズナは現役のときから違ったもの。はっきり言って、異次元の世界の馬だからね」

 佐々木がキズナをはじめて見たのは、うまれて1カ月後ぐらいだった。ひと目見て、すごい馬だと思った。オーラがぜんぜん違った。佐々木はすぐにノースヒルズ代表の前田幸治に電話をいれたという。

「『この馬、ダービー獲れますね』って」

 それからは毎月牧場に通って馬の成長を確認している。通常、仔馬は形やバランスが崩れたりしながら育っていくものだが、キズナは最初に見たままの形で、そのまま大きくなっていった。

「一度も崩れたことがなかった。むかしの人は崩れたほうが走ると言ってたけど、ぼくの経験では、重賞に勝っている馬のほとんどがいい形のまま大きくなっていた」

 育成調教のためにノースヒルズの大山(だいせん)ヒルズ(鳥取県)に移ってからも、佐々木は何度も馬を見に行った。

「育成調教が進んでも、変わらなかったね。いい馬のままだった。ぼくはキャンターの第一歩を重要視するんですが、キズナは飛ぶような感じだった。体は大きいのに、ふわっという感じ。それこそディープインパクトだね。それを見て揺るぎない確信を得た。やっぱり只者じゃないな、と」

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