さりげないタッチライン際のヘディングで相手に大打撃を与えてしまう。酒井宏樹はここにかけて天下一品だ。カタールワールドカップ出場に向けて絶対に勝たなければならなかった先のアジア最終予選、ホームのサウジアラビア戦。それは鮮やかに炸裂した。
1-0で折り返した後半の立ち上がりだった。左サイドでボールを保持する日本は、ネジを巻いてきたサウジアラビアの強いプレッシャーにさらされてGKまでボールを下げざるを得なかった。流れの綱引きで見れば、サウジアラビア側がグイと引いてきたわけである。権田修一は右サイドのタッチライン際に長いボールを送る。そこに酒井がジャンプ一番、相手に競り勝って高い打点から首を振ると、極上のパスとなって前にいる伊東純也へ渡ったのだ。
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photograph by Takuya Sugiyama/JMPA