昨年はコロナ禍で開催できなかった全国小学生テニス選手権大会が2年ぶりに開催された。
無観客で、家族やコーチの来場にも人数と時間の制限が設けられた。選手のベンチは試合のたびに消毒、待機場所で「密」が発生しないように声掛けをするなどの感染対策がとられた。選手には不自由で気が休まらない環境ではあったが、取材しながら、全国規模の大会を開く意義を痛感させられた。選手は、特に伸び盛りの年代は、練習より試合で伸びる。課題が見つかり、負けた悔しさは練習の糧になる。勝っても負けても、学びがあることが何より大きい。
一人の選手が、試合の準備をするかたわら上位シード選手の試合を見ていた。マスクの下からかすかに聞こえてくるのは、ひとりごとのようだ。ライバルの試合を見ながら何を思うのか。小柄な彼に声を掛けた。このシード選手(A君としておこう)とは前に対戦し、敗れたという。
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photograph by Hiromasa Mano