スキーシーズンたけなわの中、アルペンの女子ワールドカップで歴史的な記録が達成された。ヒザの靱帯断裂から約2年ぶりに復帰した第一人者、リンゼイ・ボン(米国)が、1月19日のスーパー大回転で優勝、W杯通算63勝となって、アンネマリー・モザー=プレル(オーストリア)の記録を抜いて歴代1位になったのである。これは、野球でいえばピート・ローズの通算安打4256本を更新するとか、バスケットボールでいえばカリーム・アブドゥル=ジャバーの通算3万8387点を破るといった偉業に相当する。
プレルが記録を作ったのは1969年から1980年にかけてのこと。この記録をボンは35年ぶりに更新したのである。ボンの記録がプレルとひとつ違うのは、ボンはアルペンが5種目の時代に記録を作ったのに対して、プレルの時代は4種目だったことだ。W杯では1983年に初めてスーパー大回転が行なわれ、そこからアルペンは5種目という時代が始まった。スピード系の種目が「滑降、スーパー大回転」、技術系の種目が「大回転、回転」、そして滑降と回転を組み合わせた「複合」という、現在の5種目である。
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