その左足で母国に栄光をもたらすはずだった。
だが、決勝トーナメントでは無得点。
悲願が叶わなかった今、去来する思いとは。
本日発売の『Number PLUS 永久保存版 ブラジルW杯総集編』より、
アルゼンチンのエース、メッシの苦闘を振り返った記事を公開します。
だが、決勝トーナメントでは無得点。
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「MVPなんてどうでもいい」
'78年大会のケンペスや'86年大会のマラドーナと肩を並べる栄誉に浴しながら、決勝後のミックスゾーンでメッシは呟くように嘆いた。
「もう少しでPK戦だったのに、あんな負け方をするなんて辛すぎる。僕らはゴールチャンスを作った。違う結末を迎えてもおかしくなかった」
前夜SNS上で「明日、僕らは人生で一番大事な試合を戦う」と宣言したとおり、彼の胸中にあったのはアルゼンチンの優勝だけだった。
にも拘わらず、チームを勝たせることができなかったメッシに対する大会後の風当たりは強い。アルゼンチンを初の世界王座に導いたケンペスも酷評している。
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photograph by Itaru Chiba