「本を読んだ気分になる」のが楽な世の中だ。携帯電話で検索をかければ、書籍のおおまかな内容はもとより結末や骨子など、あらゆる情報が無責任に浮遊している。いいかえると、「本を読んだふりをする」のも簡単なご時世。
「趣味は読書です」としておけば、当たり障りはなく、相手にも好印象を与える。と、錯覚している人は少なくない。本来、読書はもっと不埒で危ういものだったはずだが、人が本に「答え」を求め始めてから何かが変わってしまった。誰かの言霊を自身のなかに血肉化することよりも、何冊読んだか?とか、泣かせてくれるのか?ばかりに人の興味は向かっている。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Sports Graphic Number