氷の上に逃げ場はない。白線の向こう側にボールが出たらスローインだなんて、ずいぶん悠長な話なのだ。アイスホッケーの選手たちは、約60m×30mのボードに囲まれた決闘場で、いつだって相手とぶつかり、怪我をし、それでもまた殴り返す。チームが弱かろうが、給料が遅延していようが、関係ない。アイスホッケーは、冷たい氷の上で自分を放熱させるスポーツだからだ。
2004年から日本代表のキャプテンとして長年アイスホッケー界を牽引してきた鈴木貴人。所属チームの突然の廃部に遭遇した彼は、小学校時代からの親友である村井忠寛が率いる日光アイスバックスへの入団を決意する。
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photograph by Ryo Suzuki