日本代表の主将まで務め、2度のW杯に出場した男が、
イギリスの地で新たなフィールドへの挑戦を始めている。
スパイクを教科書に持ち換えても、そのスタンスは揺るがない。
元日本人プロサッカー選手として初めてFIFA大学院で学ぶ彼が
改めて学問に向かう、その志と慣れない勉強の日々を語った。
イギリスの地で新たなフィールドへの挑戦を始めている。
スパイクを教科書に持ち換えても、そのスタンスは揺るがない。
元日本人プロサッカー選手として初めてFIFA大学院で学ぶ彼が
改めて学問に向かう、その志と慣れない勉強の日々を語った。
イギリス・レスター。
移民の街、学生の街と言われるように、多国籍の学生たちで溢れている。デ・モントフォート大学内の待ち合わせ場所に宮本恒靖が歩いてきた。学生然とした雰囲気で、キャンパスによく馴染んでいる。現役時代の象徴だった日焼けもなくなった。かなり勉学に勤しんでいるのだろう、いくらか疲れも見える。
「今日のテストもメッチャ頭使ったからね」と苦笑する学生生活。
「疲れている? テスト勉強大変やったし、今日のテストもメッチャ頭使ったからね」
宮本は、苦笑混じりにそう言った。
昨年12月、現役引退を表明した席上、国際サッカー連盟運営の大学院「FIFAマスター」への進学を発表した。だが、大学院にどんな人が集い、何を学び、何を目指す場所なのか、詳細が今ひとつ分からなかった。渡英して数カ月、宮本はどんな学生生活を送ってきたのだろうか。
「8月に語学から始まって、カリキュラムが本格的にスタートしたのは9月。学生は24カ国から30人が参加して、女性が11人。年齢は23歳から35歳まで。自分が最年長だけど、平均は28、29歳ぐらいかな。元プロサッカー選手は過去12年間で俺だけみたいで、弁護士、元TV局員やコンサルティング会社出身とか色々いて、かなりユニークな集まりやね」
5人制の寮住まいも「勉強するだけだから、不自由はしてない」。
ある日のスケジュール | |
7:00 | 起床 |
7:30 | 軽く朝食を取った後、大学へ |
9:00 ~10:30 |
講義「オリンピックの歴史」 |
11:00 ~12:30 |
講義「オリンピックの歴史」Ⅱ |
12:30 | 学食でランチ |
14:00 ~15:30 |
講義「現代欧州における身体文化」 |
16:00 ~17:30 |
「ファイナンス講座」 |
19:00 | 寮の仲間の作ったパスタで夕食 |
21:00 | 講義で使う文献を読む |
23:00 | Facebookで日本の友人に近況報告 |
24:00 | 就寝 |
現在、宮本は5人制の寮住まい。とはいえ2段ベッドの相部屋ではない。それぞれ個室があり、共有スペースのリビングがある。個室は、四畳半ほどでベッドと机、クローゼットで一杯だ。一番早く予約したが、一番狭い部屋を当てがわれたという。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Kai Sawabe