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【高校野球】前田健太、大野雄大、大嶺祐太、秋吉亮…“ハンカチ世代”エースたちの夏を訪ねて「本音では、悔しくて見られなかった」

2026/08/06
2006年、二人の豪腕が演じて伝説となった決勝は敗れ去った同学年の投手たちにも衝撃を与えた。「ハンカチ世代」と呼ばれた'88年度生まれの精鋭は同じ時を過ごした高校3年間をいかに糧としたのか。そして、その後の20年を生きるエースの長い後日談。(原題:['88年組のエースを訪ねて]「黄金世代」の終わりなき夏 前田健太/大野雄大/大嶺祐太/秋吉亮)

 寄る年波に立ち向かう38歳の意地だった。楽天の前田健太が6月25日の西武戦で力投し、移籍後初勝利を挙げた。仙台のお立ち台で「まだまだ若いんで」とくり返し、メジャー帰りの白星に浸る。スマートフォンを手に取ると同い年の盟友で中日の大野雄大からSNSのメッセージが届いた。

《初勝利、おめでとう。早く大野に追いつきや》

 気が置けない仲間の粋な祝福である。

《大野さんにはまだまだ及ばないです。程遠いです》

 ふたりの“ラリー”は1週間後もつづいた。7月3日に大野が巨人を8回無失点に抑えて6勝目を挙げると、翌4日は前田が日本ハム戦で完封目前の2勝目を摑んだ。

 前田は日々抱く思いを明かす。

「雄大が頑張っているのもすごく見ているし、『'88年組』が少なくなりライバルから仲間になってきました。昔は絶対に負けたくなかったのが、みんなでもう一回、頑張りたいよなって。刺激し合って、高め合ってという気持ちは強くなっています」

 1988年度生まれの選手たちがドラフト1位から育成まで続々とプロ入りしてきた。ウサギとカメが入り交じる競走が長年、つづくなか、いまや伴走しながら、さらに前へと歩を進めているのだ。

2006年8月20日、21日から始まった

 このデッドヒートはいつ、はじまったのだろう。少年の頃から野球を愛し、眠らないウサギの筆頭でありつづけた前田は言う。

「僕らの世代に対する注目は、ここがスタートです。プロに入ってから輝けたのは、この試合があったからじゃないかな」

 2006年8月20日、21日。

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photograph by Wataru Sato

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