武藤英紀は、取材者からの質問を聞き終えるとしばらくじっと考え込み、それから決して滑舌はよくないけれどもしっかりとした言葉を並べて自分の考えや感想を表明する。これは取材者が英語国民であっても同じで、それなりのレベルの英語を使ってきちんと相手を納得させる発言をする。わたしが武藤に興味を持ったのはこんな彼の、妙に自信を感じさせる態度からだった。
リップサービスは大歓迎だが、彼らはタレントではない。レース界ではそれを勘違いした若い選手が増えているのが若干嘆かわしいのだが、武藤は彼らとは完全に一線を画していた。
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