「センター返しのヒットならいつでも打てる」
三冠王に3度輝いた落合博満の言葉を思い出したのは、6月24日の小久保裕紀の第2打席だった。来た球を素直に打ち返しての中前安打で、プロ野球史上41人目の2000本安打を達成したのだ。
快挙まであと1本と迫った5月25日、椎間板ヘルニアのため登録抹消。精密検査の結果、重症と診断されたがハリ治療などで回復させた。リハビリの最中、「どんな形でもいいから早く1本打ちたい」と話していた男は、見事に復帰初戦で決め、こう語った。
「ずっと僕を見守ってくれる(福岡の)ファンの前で打ててよかった。困難を乗り越えた分、喜びは大きかった」
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photograph by Tamon Matsuzono