9月のオランダ戦では右サイドを集中的に攻略され、思わぬ課題が浮上した。本番で同じ轍を踏まないための秘策はあるのか。
いま、最も成長著しい不動のボランチ・長谷部誠のサイドバックとしての資質と効用を検証する。
いま、最も成長著しい不動のボランチ・長谷部誠のサイドバックとしての資質と効用を検証する。
9月のオランダ対日本戦後、オランダのファンマルバイク監督ははっきりと言い切った。
「日本の弱点は、右サイドにある」
この試合の前半、日本は激しいプレスでオランダを圧倒し、強豪相手に善戦しているように見えた。しかし後半、ファンマルバイクが右サイドを狙うように指示すると、日本の守備は完全に崩壊してしまう。オランダ産のタレントたちが右サイドバックの内田篤人に次々に襲い掛かり、同エリアは火達磨になった。そして日本は0-3で敗れた。
2010年W杯において、そのオランダに再び挑むことになる。
運命のいたずらか、同組に入ったデンマークとカメルーンも、オランダ同様、サイドに強力なアタッカーがいる。もし彼らがオランダ戦の映像を入手したら、間違いなく日本の『右』を狙ってくるだろう。
守備のスペシャリストが不在の日本の『右』。
(A)アーリークロス (B)ニアゾーンに切れ込んで中央へパス (C)センタリングは日本代表が現在取り組んでいること
現在、日本代表の右サイドバックを主に任されているのは内田だ。柔らかいボールタッチで相手陣内でも臆することなくドリブルを仕掛け、速くて正確なクロスを上げることができる。しかし、守備のスペシャリストではない。
さらに右MFは、内田と同じく攻撃に特徴を持つ中村俊輔だ。中村は中央に寄る傾向があるため、日本の右サイドバックには構造的に守備の負担がかかるようになっている。
そのことは岡田監督も気になっているに違いない。オランダ遠征後、よりフィジカルの強い徳永悠平がサイドバック要員として招集されるようになった。だが、徳永にしても国際経験という面で不安が残る。
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