野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
震災とプロ野球開幕騒動に想う……。
「今、自分たちにできること」
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byMiki Fukano
posted2011/03/18 10:30
「セ・パ両リーグともに開幕は遅らせるべき。自分達は夢を与える仕事だが今はそういう時期じゃない。これは今日選手全員から出た意見。そして12球団全ての選手が思ってる」 ダルビッシュのツイートより引用(3月16日18時頃)
再び日常を取り戻すために……野球を観ようと思う。
正直な話。大地震と津波により壊滅した東北の映像、今も続く余震、停電、交通網の混乱、原発事故による放射能の脅威、チェーンメールなどに惑わされてるし、宮古の沿岸に住む大事な友達は行方不明のままだ。
この短時間で愕然とすることばかりが続き、東北とは比べ物にならないほど被害の小さい東京にいながら、筆者の心は野球をスッポリ忘れてしまうほど、折れてしまっていた。
だが落ち込んでいても何もはじまらない。
野球選手もサラリーマンも、主婦も子供も食い詰めライターも、自分に与えられたいつも通りの役割を、ひとりひとり果たすことが、この国が復興へ向かう第一歩。そのために、失われた日常を取り戻すために、筆者は野球を観ようと思う。
被災された人たちが、1人でも、1日でも早く元の生活を取り戻してくれることを祈って。
そして、いつか彼らが帰ってくるスタジアムの熱狂をもう一度取り戻すために。