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21歳の新世界王者、
堂々たる試合ぶり。
~井岡一翔の勝利の価値~ 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byKYODO

posted2011/02/28 06:00

21歳の新世界王者、堂々たる試合ぶり。~井岡一翔の勝利の価値~<Number Web> photograph by KYODO

2月11日、会場の神戸ワールド記念ホールには1万1000人の観衆が集まった

 元世界王者の叔父を持つボクシング界のサラブレッド、井岡一翔(かずと)が世界チャンピオンに輝いた。プロ7戦目での世界タイトル奪取は、あの辰吉丈一郎と名城信男を超える日本最速記録。派手な新記録樹立とは裏腹に、そのボクシングは実に巧みで、玄人をもうならせる内容だった。

 チャンピオンのオーレドン・シッサマーチャイはここまで40戦無敗。39勝のうち14KOという数字が示すように、待ちのボクシングが得意な技巧派である。対する井岡はアマチュアで105戦のキャリアがあるとはいえ、プロ戦績はわずか6戦しかない。百戦錬磨の王者に挑戦者の若さと勢いが通用するのか。両者の実績を見比べて、多くの関係者が「挑戦者らしく」というフレーズを思い浮かべたのではないだろうか。

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