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「え、え、マジか」今年のドラフト“最大のビックリ指名”…野球やめていた生鮮スーパー店員に一報 「オリックスから調査書が届いたぞ」指名の瞬間は?
text by

田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKotaro Tajiri
posted2026/11/08 11:01
今年のドラフトでオリックスから育成6位で指名された菅原大奨
「自分の中では踏ん切りをつけていたので、パッと気持ちの切り替えができなかったです。オリックスさんは大学時代から何度か見に来てくれていたと聞いていましたが、まさかこのタイミングで調査書が来るとは……」
なぜ「所属先=鮮ど市場」だったのか?
バットを置く決断を簡単に下したつもりはない。どうすればいいのだろうか。調査書を返送すべきか、ちょっとだけ迷いはあった。
「でも、来たんだからそれはもう、返しますよね。絶対返しますよ」
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その時のことを思い出し、菅原は肩をすぼめて小さな笑みをつくった。
初めての調査書。田中代表取締役に付き添ってもらいながら書き進めた。しばらくすると、菅原の手が止まった。
「代表、ここはどう書けばいいでしょうか?」
所属先を書く欄だった。プレーしていたのは熊本ゴールデンラークスだが、もう退部をしている。ならば勤務先でいいのではないか、となった。
「わかりました。じゃあ、鮮ど市場ですね」
必要項目をすべて埋め、何度も見直して、大事なそれを封筒に入れた。
「野球選手を辞めてからほんの少しのあいだでしたが、すでに生活は一変していました。誤解を恐れずに言えば、すごく楽な心境になってました。朝6時にはじまる仕事を終えてから練習に行く必要もなくなったし、自分の時間もたっぷりある。そんな矢先、急にプロ野球選手になれるかもしれないという話になった。それに、調査書が来たとしても指名される確約はないじゃないですか。そこからドラフトまでの期間も、本当に複雑な気持ちで過ごしていました」
ドラフト当日、焼肉店にいた
迎えた10月22日、ドラフト会議の当日。菅原はシフト休日だったため自宅で過ごした。夜は田中代表取締役と野球部のマネジャーから食事に誘われていた。会見などは用意されていなかった。ドラフト会議は17時に始まるが、上位で指名されることがないのは分かり切っている。まだ他人事のように身支度をしながらテレビの音を聞いていた。

