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野球クロスロードBACK NUMBER
「“自由”って聞こえはいいですけど…」《楽天ドラ1》青学大・渡部海は“専門コーチなし”でもなぜ成長できた?「自由の過ごし方が毎日100%」
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byNanae Suzuki
posted2026/10/26 11:01
楽天と中日の2球団競合の末、楽天がドラフト1位で交渉権を獲得した青学大の渡部海。学生屈指といわれる捕手の軌跡とは?
血液のように渡部の体内に流れる精神。だが、それが決して当たり前ではないのだと釘を刺すのは、コーチの中野真博だ。
青山学院大OBでもある中野は、後輩でもある教え子の姿勢がいかに難しいかを、驚嘆するように説くのである。
「僕の大学時代からも同じような練習形態でした。『自由』って聞こえはいいですけど、3年生あたりになってくると『この時間が本当にきつい』と、とても大事に思えてくるんです。ちゃんと目的意識を持って練習している子と、そうでない子の差がここでつく。渡部はここの過ごし方が毎日100%です。その姿を周りが見て『ここまでやらないとプロに行けないんだ』と頑張れる。そういう相乗効果ももたらしてくれているんです」
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大学4年になり、チームはもとより日本代表でもキャプテンを任されるほどの求心力を携えた渡部は、押しも押されもせぬ「ドラ1候補」としてアマチュア球界を賑わす存在となった。
文面だけでキャリアをたどれば「野球エリートだから」と、さも当然のように現在地を語られがちだが、そうではない。
渡部が“逸材”である理由は?
「ちゃんとやってよ」
そのときは小さく、フランクなきっかけだったとしても、レジェンドの言葉を真摯に受け取って体内に宿し、行動へと燃焼させてきた。だからこそ渡部は、自らが歩んだ道を一片の曇りなく肯定できるのである。
「本当に想像以上というか。1年の春から使ってもらって、先輩方や後輩、監督、コーチ……いいご縁をつなげてもらったので、青山学院大に入ってよかったなと思います」
誰もが認めるドラフト1位。「逸材」と呼ばれたキャッチャーの、ひとつの夢の結実である。

