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「ドラマでもあんまりないようなシナリオ」で “恩返しシリーズ”先発マウンドへ…DeNA尾形崇斗と古巣ホークスの縁と情念「本当に不思議です」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byJIJI PRESS

posted2026/10/25 11:01

「ドラマでもあんまりないようなシナリオ」で “恩返しシリーズ”先発マウンドへ…DeNA尾形崇斗と古巣ホークスの縁と情念「本当に不思議です」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

電撃トレードから先発ローテーション入りし、古巣相手の日本シリーズの先発マウンドへ……波乱万丈のシーズンに尾形の思いとは

「バウアー選手がYouTubeで、オリジナルの投球プログラムやリカバリー方法などを公開していて、自分でもやってみようと思いノートをつけはじめたんです。誰かに訊いて処方するトレーニングももちろんいいとは思うのですが、やっぱり自分の体ですから、自分で気づいて工夫することがなによりも大事だと思います」

 大成する選手の条件としてよく言われるのが『自分で考え工夫できること』である。まさに尾形はそういったタイプの選手であると言っていいだろう。オスナやバウアーといったMLBで活躍した選手のメソッドや知恵を参考に、尾形は自ら考え高みを目指している。

DeNAとの縁、牧の手痛いレッスン

 それにしてもここでバウアーの名前が出てくるとはDeNAと浅からぬ縁のある選手である。またそれだけにはとどまらず、投手としてさらに能力をアップさせなければ戦えない、と心底思わせてくれたのがDeNAの選手たちだった。

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 尾形は、DeNAがソフトバンクを破り優勝した2年前の日本シリーズを振り返る。

「あの年はシーズン終盤にリリーフとしていい場面で投げさせてもらい、押すパワーピッチングができてきて、少しずつ自信を持てるようになった矢先のことでした」

 第2戦(横浜スタジアム)、ソフトバンクが6-2でリードした7回裏2死一、二塁の場面。尾形は、リバン・モイネロの後を受け火消しのマウンドに立った。そこで牧秀悟にレフトフェンス際へ痛打を浴び、失点してしまう。感嘆した様子で尾形は語る。

「真っすぐをつづけてカウント0-2になって、その後、外に2球スライダーを投げたんです。カウントは2-2。ここでキャッチャーの甲斐(拓也)さんがインコースの真っすぐのサインを出したんです。投げた瞬間はリリースの感覚もよかったし、いいコースに行った感触もありました。けど牧さんは96マイル(約154km)の真っすぐを、しっかり外のスライダーを見せていたのに、くるっと体を回転させてレフトへ長打……。

 いや、僕の野球人生のなかでも衝撃の出来事でした。投げ切ったインコースの真っすぐを簡単に弾かれた経験は記憶になくて、挫折というか、その悔しさは今も心に残っています。ある意味、牧さんは新しい自分を気づかせてくれたというか、中途半端ではいけないと思わせてくれたんです。96マイルがダメなら、じゃあ100マイル(約161km)を投げなければと意識を変えさせてくれたのは牧さんですね」

【次ページ】 人間模様が巡る両チームの激突

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