欧州サッカーPRESSBACK NUMBER

14年で8回の優勝に「ケチ」…史上最大規模の不正疑惑“シティ問題”なぜバレた?「監督解任の赤字を埋める方法は…」英国人記者が“真実”を暴く

posted2026/10/24 17:00

 
14年で8回の優勝に「ケチ」…史上最大規模の不正疑惑“シティ問題”なぜバレた?「監督解任の赤字を埋める方法は…」英国人記者が“真実”を暴く<Number Web> photograph by Getty Images

14シーズンで8回ものプレミアリーグ制覇を成し遂げたマンチェスター・シティ。その栄光は、不正の上に築かれたものだったのだろうか

text by

ジョン・ブルーウィン

ジョン・ブルーウィンJohn Brewin

PROFILE

photograph by

Getty Images

プレミアリーグは2026年9月、マンチェスター・シティによる財務規則違反を認定したと発表した。シティ側は控訴しているが、早ければ来年1月にも、勝ち点剥奪などの処分が下る可能性もある。この騒動について、現地『ガーディアン』紙などで健筆をふるう英国人記者が、ポイントや今後の見通しを詳しく解説する。〈NumberWebレポート/全3回の1回目。翻訳・構成:井川洋一。2回目、3回目はこちら〉

 今、プレミアリーグが史上最大のスキャンダルで大揺れしている。マンチェスター・シティによる財務規則違反騒動だ。

 事の始まりは、“ジョン”と名乗る謎めいたハッカーが、2015年にハンガリーの首都・ブダペストで『フットボール・リークス』というウェブサイトを立ち上げたところに遡る。後にそのハッカーは、ポルトガル出身のルイ・ピントであることが判明。だが、名前が知れたところで、彼の活動に変化はなかった。

 その活動とは、フットボールにまつわる裏の情報を世間にリークすることだ。例えば、同胞のクリスティアーノ・ロナウドには、ピントによって脱税の疑惑が浮上し、最終的にスペインの裁判所で有罪判決が下されている。さらに、ロナウドが米国人女性から性的暴行を訴えられ、口止め料を払ったとされる件なども、このサイトが最初に世に晒したものだ。

ADVERTISEMENT

 そんなピントによる、おそらく最大のリークが、21世紀のイングランド最強フットボールクラブであるシティにまつわるものだ。これがクラブの存在を根幹から揺るがすとともに、世界中のフットボールファンに衝撃を与えている。

「我々は好きなように運営できる」

 顛末はこうだ。2017年にピントが送ったフィッシングメールを、シティのスタッフが誤って開封。それを発端にクラブの極秘ファイルやEメール、財務情報が流出した。ピントは翌2018年にドイツの『デア・シュピーゲル』誌と協力するようになり、同メディアの調査報道チームと共にその内容を公開していくと、フットボール界は激震に見舞われた。

 そこには、シティの収入の多くをオーナーが自ら補填していたことを示すものがいくつもあった。オーナーとは、2008年にシティを買収し、UAE(アラブ首長国連邦)の副大統領にしてアブダビの王子シェイク・マンスール・ビン・ザイード・アル・ナヒヤンのことだ。

「当然、我々は、我々の好きなように(クラブを運営)できる」

【次ページ】 フットボールリーグ史上最大規模の不正か

1 2 NEXT
#マンチェスター・シティ
#クリスティアーノ・ロナウド

海外サッカーの前後の記事

ページトップ