Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
[恩師が明かす]山田哲人「二人三脚で手にした企業秘密」
posted2026/10/25 09:01
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Hideki Sugiyama
雨煙る神宮球場。お立ち台から興奮に沸くスタンドを見渡した34歳の山田哲人は、思いを噛み締めるように深く頷いた。
「やっぱり、ホームランは気持ちいい」
9月26日、ヤクルト対中日戦。3-3で迎えた9回裏1死二塁のチャンスで代打に立ち、相手左腕が投じたスライダーに対し、左足を踏ん張りながらバットを振り抜いた。レフトスタンドに飛び込んだ劇的なサヨナラ弾は、プロ16年目にして初めて放った代打ホームランだった。
ここ数年は脚の故障を繰り返し、今季は左内腹斜筋の肉離れなどで長期離脱を強いられた。8月下旬に一軍復帰し、出場30試合、56打数15安打、2本塁打。プロ2年目に次ぐ低調な数字に終わったシーズンで、秋風が吹く季節にようやく飛び出した本拠地1号でもあった。
その数日後、山田に問いかけてみた。どうやってホームランを打つのか――。
返ってきたのは意外な言葉だった。
「それを掴んだっていうか、言葉にできるようになったのは本当に最近のことだよ」
日本プロ野球で唯一、トリプルスリーを3度達成した男だ。華々しいその全盛期ではなく、三十路を越えて掴んだという“何か”。山田はニヤリと笑って、こう続けた。
「若い頃は感覚派だったから分からなかった。今は言葉にできる。でも企業秘密。十何年もかけてやってきたことを、そんな簡単には教えられないよ」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り: 2432文字
NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。
