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「強さだけで“社会現象”になった馬」20年前、ディープインパクトの凱旋門賞挑戦で何が起きていたのか?「フランス現地紙も一面トップ」密着取材の記録
posted2026/10/04 06:00
圧倒的な強さで社会現象級の人気を誇ったディープインパクト。ファンの大きな期待を背負って2006年の凱旋門賞に挑んだ
text by

島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Tomohiko Hayashi
◆◆◆
20年前、私たちは、凱旋門賞に臨むディープインパクトとともに、文字どおり、夢のような時間を過ごした。
私は、ディープインパクトの弥生賞以後のすべてのレースを現地で取材した。
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ディープインパクトが凱旋門賞参戦に向けて出国するとき、成田空港まで見送りにも行った。凱旋門賞の2週間ほど前に行われた、ロンシャン競馬場(当時の名称)でのスクーリングを兼ねた追い切りを取材するためだけに渡仏もした。
もちろん、凱旋門賞本番も取材した。ディープインパクトが滞在したシャンティイの調教場で、ほかの日本人ジャーナリストとともに取材をつづけた日々も、あとにも先にもない「特別な時間」であった――。
強さだけで“社会現象”となった初めての馬
あの「特別な時間」はいつから始まったのか。それを記すにあたり、まず、ディープインパクトという競走馬がいかに希有な存在だったか、簡単に触れておきたい。
2005年の皐月賞では、スタート直後に躓いて大きく出遅れながらも、あっさり挽回して優勝。日本ダービーではダービー史上初の上がり33秒台の末脚で2着を5馬身突き放した。菊花賞では1周目で引っ掛かりながらも完勝し、1984年のシンボリルドルフ以来となる、史上2頭目の「無敗の三冠馬」となった。
皐月賞後に主戦の武豊が「走っているというより飛んでいるような感じ」と表現し、その後は「今日も飛びましたね」がレース後のお約束のコメントとなった。
あまりに強いので、JRA競走馬総合研究所などが走法を解析し、他馬とのストライドの大きさの違いを数字で示すなど、「走りの科学」がトレンドになった。


