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「これで本当に走れるの?」NIKEが極秘開発した厚底シューズ《APEX》を試してみると…開発担当者は「ゼロドロップは…」「世界記録奪還へ手応え」
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涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byYuki Suenaga
posted2026/10/01 09:45
NIKEの新作厚底レーシングシューズ「APEX」
今年の4月、マラソン界に激震が走った。
ロンドンマラソンで公認記録としては人類で初めて「2時間切り」が達成されたのだ。セバスチャン・サウェ(ケニア)が1時間59分30秒、ヨミフ・ケジェルチャ(エチオピア)が1時間59分41秒。彼らの履いていたシューズには3本ラインが入っていた。新しい補給戦略などにも注目が集まったが、このレースのゴールシーンは厚底シューズの投入以来、男子マラソンの世界記録を独占し続けてきたNIKEの牙城を、アディダスが打ち破った瞬間でもあった。
だからこそ、ブレットへのインタビューはこんな質問から始めてみた。「このシューズでアディダスから世界記録を奪還できるのか?」。ブレットはすぐに笑顔になった。
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「実は7月にケニアへ行ってきたんだ。何人かのアスリートと一緒に過ごし、APEXやいくつかのプロトタイプ(試作品)をテストしてもらったんだが、僕らの開発が非常に良い方向に進んでいると思える時間だった。タイムは私たちが保証できるものではないし、選手のコンディション、天候など全ての条件が揃う必要があるけれど手応えを感じているよ」
そして1人のランナーの名前をあげた。先のロンドンマラソンで2時間0分28秒という、これも従来の世界記録を上回るタイムで3位に入ったジェイコブ・キプリモ(ケニア)だ。彼はロンドンでAPEXのプロトタイプを履いていたという。
「現在、キプリモは驚異的なコンディションをキープしているよ。ケニアで彼のトレーニングを見守り、適切なシューズを手渡してきたし、その後も人生で最高の調子にあるという報告を受けている。10月11日のシカゴマラソンで何が起きるか見てみよう。私も現地に行くからとても楽しみにしているんだ」
このシューズは生態系の「頂点捕食者」?
シューズについて具体的に見ていきたい。まずはAPEX、日本語にすると「頂点」や「頂上」という意味の名前の由来から。
「Alphafly(アルファフライ)を作った当時は、これが自分たちの作れる最高のシューズだと思っていたんだ。『Alphaflyが頂点(pinnacle)になる』とね。しかしレーシングシューズの開発がさらに進んでいく中で、そのさらに上を行くものが必要になった。
では名前をどうするのか。物理的な高さを考えたときに、象徴的なのは山の頂(Apex of a mountain)だと思い、『Alphaの先にあるものは何か』を直感的に表すためにAPEXとしたんだ。あるいは動物たちの生態系の頂点、『Apex Predator(頂点捕食者)』という意味合いも含まれているよ」
基本的なシューズのスペックや構成要素は以下の通りだ。
- スタックハイト:前足部 40mm/ヒール 40mm
- オフセット:0mm
- 重量:168g(メンズ26.5cm/ウィメンズ27cm)
- クッショニング:2層構造のエア ズーム ユニット
- ミッドソールのフォーム素材: ZoomX LT フォーム
- プレート:インバースウェーブ形状のカーボンプレート
- アッパー:フライニットX アッパー
- アウトソール:GOATEK + Fast Shot
フィット感がありつつも通気性の高い「フライニット X」や、トレイルランニングの知見を活かして開発された「GOATEK」についても、APEXの軽量化に大きく寄与しており、NIKEの視点からは語れることがたくさんあるようだったが、今回は筆者が特に重要だと考えた3つのポイントを深掘りしていきたい。
<後編に続く>


