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「井上尚弥は譲らないと思うが…」井上拓真の“理想の相手”はバム? 英国人記者が求める次の好敵手「PFP選考でタクマに関する言及はまったくなかった」

posted2026/10/01 11:10

 
「井上尚弥は譲らないと思うが…」井上拓真の“理想の相手”はバム? 英国人記者が求める次の好敵手「PFP選考でタクマに関する言及はまったくなかった」<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

那須川天心にダウンを喫した後も冷静だった井上拓真。ロープを背に呼び込むシーンも

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Hiroaki Finito Yamaguchi

9月27日、TOYOTA ARENA TOKYOで行われたWBC世界バンタム級タイトル戦で王者・井上拓真(大橋)が那須川天心(帝拳)に3-0判定勝ち。昨年11月、同じ会場で勝った相手とのリマッチで返り討ちにするとともに、ライバル対決に決着をつけた。前編に引き続き、お馴染みの英国人ライター、トム・グレイ氏(リングマガジンの編集人)に意見を求めた。〈全2回の後編/以下、グレイ記者の一人語り〉

 テンシンとの再戦での第7ラウンドにタクマが痛烈なダウンを喫したことには私も驚かされた。タクマ自身も驚いたのだろうし、少なからずダメージはあったのではないかとも思う。ダウン後、ロープを背負ったところでタクマはテンシンを呼び込むような仕草をしたが、私にはそれこそがタクマが少し効いていた、少なくとも少し揺さぶられていたサインに思えたのだ。

 ただ、その後のタクマの対応はさすがだった。

グレイ記者が賞賛するディフェンス

 テンシンは鋭いパンチを打つ選手ではあるが、今年4月にTKO勝ちを飾ったファン・フランシスコ・エストラーダ戦を除けばそこまでの攻撃力をアピールしてきたわけではない。相手を一発で仕留めてしまうような、往年のジュリアン・ジャクソンのようなダイナミックなパンチャーではない。テンシンは一発で試合を終わらせるというより、時間をかけて攻撃を積み重ねて相手にダメージを蓄積させるタイプの選手だ。でも、タクマを相手にそれをやることはできなかった。

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 タクマはいつもディフェンスがよく、1発を当てることができてもその次の1発を当てるのがものすごく難しいボクサーだ。その点は今回も変わらなかった。7回はテンシンも精力的に攻めたが、追い込むには至らなかった。タクマのような経験のある選手は、コーナーに戻れば父親でもあるシンゴトレーナー(井上真吾)からの『次はこうしろ』という指示を聞いて立て直してしまう。その時点でテンシンのチャンスは消えてしまった。

 あのダウンの場面を除けば、今戦はほぼ戦前から私が予想していた通りの展開だった。私の最終的な採点は114-113でタクマの勝ちとしたから、予想していたより少しだけ競った試合だったかもしれない。それでもスコアカードを見てみるとジャッジはより大差でタクマの勝ちを支持していて、私もそれに特に異論があるわけではない。総合的に見て、タクマの方が一段上のボクサーだったからだ。

 とはいえ、今戦でのタクマのパフォーマンスを私が特に気に入っているわけではない。

【次ページ】 勝利は明白。ただ、面白い試合ではなかった

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