魁皇の大相撲ボヤキ解説BACK NUMBER
「好取組が多かった」元大関・魁皇が振り返る「メチャクチャしんどい」秋場所…最高の成績・実力でも昇進できないのはなぜ?「怖い顔」の注目力士も
posted2026/10/03 11:05
1年ぶりに賜杯を抱き、表彰式で涙を流す大の里
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浅香山博之Hiroyuki Asakayama
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JIJI PRESS
横綱大の里が1年ぶり6度目の優勝で9月の秋場所が幕を閉じました。最初のうちは、バタバタする良くない相撲と良い相撲が混在していたけれど、日を追うごとに良くなっていきましたね。
13日目の大関霧島戦、14日目の大関琴櫻戦と連敗し、どうなることかと思いましたが、負けはしても前に出ようとする姿勢が見えていて、千秋楽の大関安青錦戦での勝ちに繋がったと思います。序盤戦は引いたり跳んだりの相撲内容についていろいろ言われていましたが、大の里の場合、立ち合いで前に出て当たってはいるんです。
立ち合いのパッカーン!は「褒められたことではない」
15日間のなか、元気者だった新関脇の藤ノ川を圧倒していたし、大関挑戦場所の熱海富士にも力で勝っていました。そうそう、このふたりの対戦で、立ち合いの時にパッカーン! というすごい音が響いて、その迫力に驚いたファンもいるようですが、実はこれ、あまり褒められたことではないんですよ。上体が反っている形で胸を合わせているから出る音なんです。立ち合いの基本である“背中を丸くして当たって行く”形ならば、あんないい音はしませんからね。
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7月の名古屋場所は9勝6敗だった大の里。「休場すればいいのに」などといろいろ周囲に言われながらも、大の里は15日間、最後までまっとうしました。安易に休場せずに乗り切った、この経験値も今場所では大きかったのだろうと思います。15日間土俵に上がり続ける感覚はだいじなんですね。優勝して涙を流していましたが、よっぽどのプレッシャーだったんでしょう。重圧のあるなか、あれだけの相撲を見せられるのが大の里の強さです。考えてもみてください。入門からたった3年半で良いことも悪いことも経験した。ここから今までの経験が生きて、もっと成長するでしょう。言ってみれば“完成形”の横綱ではなく、ここからのびしろがある横綱という考え方もできます。今後の大の里はどういった相撲――横綱像を見せてくれるのか。
これから“圧倒的に強い横綱”が作られて行く楽しみもあるのではないかと思うのです。
「今場所、イケるかな?」と思いきや……
あっという間に横綱に駆けあがり、ケガもあって精神的・肉体的にも大変でしたでしょう。今はまだ余裕がなくとも、横綱として下の者たちの手本になり、教え、伝えていく立場でもあります。まずは横綱として、番付通りに今場所を優勝で締めてくれました。今後の成長ぶりに期待したいところです。

