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「心の引っ掛かりはありました」仙台育英“初の女性部員”が明かした甲子園フィーバーの裏側…それでも「やらない後悔の方が絶対に大きい」描く未来図
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田口元義Genki Taguchi
photograph by(L)Hideki Sugiyama / (R)Shiro Miyake
posted2026/10/01 11:07
今夏の甲子園でさまざまな話題を呼んだ仙台育英「初の女子部員」である星よつはさん。彼女が高校野球生活で感じたリアルとは
自らの言動が包摂的に取り上げられる。何気ない仕草がSNSで拡散されて困惑したとしても、星は甲子園でもいつも通りを貫いた。
試合前はデータ班と協力し相手チームの情報をまとめ、試合になればスコアブックを記入しながら、時間が空けばベンチメンバーとドリンクなどの準備をする。宿舎に戻れば、控え選手たちとヘルメットなどの道具を洗い、そしてまた、寝る間を惜しんで相手チームの分析をして次の戦いに備える。
この夏、仙台育英76人の部員は、紛れもなくワンチームだった。
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日本一となった2022年夏の選手たちを、須江は「ストレスフリーだった」と称賛していたが、今年もそうだったと大きくうなずく。
「勝るとも劣らないというか、勝っていたんじゃないかな。野球に対する知識や理解度はあの年に近かったし、控えの3年生たちの仕事ぶりは抜群でしたよ。よつはに関して言えば、紆余曲折のなかで同級生たちといろんなことを乗り越えてきたというか。だから、チームに対する愛情があるんだと思います」
仙台育英は準々決勝で智弁和歌山に敗れた。
ほとんどの高校はここで3年生の引退となるが、仙台育英野球部は卒業まで活動する。
「『星孝典の娘』だったのが『星よつはの父』になっちゃったよ。立場が逆転しちゃったな。今までもそうだったけど、これからも気をつけて行動しなさいよ」
仙台育英時代は甲子園に出場し、プロでは巨人という巨大ブランドを背負ってプレーした父から、そう促された。
これまでも学校内では下級生から声を掛けられることはあった。それが、甲子園から帰ると校外でも周りの視線を感じるようになった。こういうことかと、星が襟を正す。
「街中で『あれ?』みたいな感じの声が聞こえてくるとか、そういうのが増えましたね。だからもう、いつも以上に緊張感を持って。背筋を伸ばして歩いてます(笑)」
「名門初の女子部員」…その存在を“当たり前”に
仙台育英初の女子部員。
名門校における星の挑戦は、自分の存在を当たり前にする旅である。
男性社会でも特別視されることなく、組織のピースと認識してもらえるように――と、彼女はいばらの道での修行をその意志でもって受け入れ、今も自己証明を果たす。

