サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
サッカー日本代表は「若いから入れるという甘い場所ではない」“五輪代表と兼任”次期監督・大岩剛が熱弁「それが私の役割」「ヤマルはW杯でも…」
text by

佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2026/09/20 11:05
10代にしてW杯優勝を経験したスペインのヤマル。大岩剛監督いわく、バルサでの日常が今夏の大舞台と直結しているという
A代表はレベルもモラルも高いからこそ…
優勝チームが変わるたびにその背中を追いかけるのではなく、日本特有の強みや規律の高さをベースにしながら、ピッチ上のどこで主導権を握るかを明確にし、共有して表現していく。
その上でレベルの高い日常を還元するのが、A代表というわけだ。
「現在のA代表はレベルもモラルも非常に高い。なので、若いからという理由だけで選手を呼び寄せるような甘い場所ではありません。もちろん、常にA代表のスタッフが自分たちのプレーに目を光らせているという事実は、五輪世代の選手たちにとって間違いなく大きなモチベーションになるし、強烈な刺激になるでしょう。ただ、前提となるのは高い基準を落とすことなく、若い世代を刺激して前進させていくこと。それが私の役割だと思っています」
ADVERTISEMENT
世代別代表とA代表を横断し、日本サッカーの「基準」を担保、継承していくことは、兼任監督に課せられた極めて重要な使命と言える。東京五輪世代とA代表を兼任した森保一監督が築いたベースを受け継ぎ、さらに先へと進めていく役割を、今度は大岩監督が担うことになる。
欧州トップで指揮を取った日本人がいないからこそ
もっとも、指揮官の視線は目先の結果や自身の任期だけに留まってはいない。日本サッカーが歩んできた歴史の途上に自らを置き、続く未来に対しても確信を抱いている。
「Jリーグが始まってまだ30年余りです。自国リーグや代表の歴史が100年以上ある国々に比べれば、日本のサッカー界はまだまだ浅い歴史しか持っていません。指導者についても、ヨーロッパのトップリーグで指揮を執った経験のある日本人監督がいないのが現状です。ですが、今後は長谷部(誠)や岡崎(慎司)のようにヨーロッパで学び、キャリアを積んだ人間たちが次の時代の指導者として先頭を走っていくでしょう。そうやって10年、20年と歴史が積み重なっていったとき、日本サッカーは今とは全く違う高い次元に到達しているはずです」
自分自身が何かを劇的に変えてやろうと力むのではなく、積み上がっていく日本サッカーの歴史の中で、自らのやるべきことをやり抜く。大岩剛という指導者のたたずまいには、そうした静かな覚悟が満ちている。

