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「子どもの頃から特別なスピードを持っていた」首位独走中のキミ・アントネッリの師、トト・ウォルフが語った速いドライバーの本質
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尾張正博Masahiro Owari
photograph byMercedes-AMG PETRONAS Formula One Team
posted2026/08/18 17:00
ハンガリーGPでは3位ながらも、今季6勝を挙げランキングトップをひた走るアントネッリ
この状況にF1のトップ2チームが動いた。最初に交渉をもちかけたのはレッドブル。チームのモータースポーツ・アドバイザーとしてレッドブルのドライバー育成を統括していたヘルムート・マルコが、モーターホームにフェルスタッペンのマネジメントチームを招き入れ、話し合いを行なった。
その後、フェルスタッペンのマネジメントチームと交渉に臨んだのがメルセデスだった。ウォルフに加え、非常勤会長で3度王者に輝いたニキ・ラウダも参加した。
当時メルセデスは性能の高いパワーユニットを武器に選手権をリードし、フェルスタッペン獲得競争は優勢に見えた。しかし、レギュラードライバーだったルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの双方と翌年以降も契約を結んでいたため、F1に関する契約はリザーブドライバーが精一杯だった。
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これに対し、レッドブルは姉妹チームであるトロロッソのシートを確約し、翌年からF1へデビューさせるという異例の抜擢を申し出ていた。
果たして、フェルスタッペンのマネジメントチームが選択したのは、レッドブルからのオファーだった。
トロロッソからF1へデビューしたフェルスタッペンは、初めて訪れた世界各国のサーキットで未経験とは思えないスピードを披露し、わずか2戦目でポイントを獲得。16年のシーズン序盤にレッドブルに昇格すると、初めて扱うマシンを難なく使いこなし、初戦となったスペインGPで優勝した。
雨中でこそ発揮される才能
その年のシーズン終盤に開催されたブラジルGPは、ウォルフが指摘する雨の中で行われた。レース後半、フェルスタッペンはタイヤをフルウエットからインターミディエイトに交換する選択をしたが、裏目に出てスピン。そこでチームはタイヤを再びフルウエットに変えるため、フェルスタッペンをピットインさせた。
これでフェルスタッペンは一時16番手までポジションを下げるが、ここからオーバーテイクショーを披露する。タイヤを履き替えたフェルスタッペンはまるで一人だけ違う路面コンディションであるかのような走りで、14周後には3位に浮上。このレースでフェルスタッペンがオーバーテイクしたドライバーの中には、キミ・ライコネンやニコ・ロズベルグ、セバスチャン・ベッテルといった元王者も含まれていた。
そのフェルスタッペンとウォルフがライバルとして初めて対峙したのが21年だった。フェルスタッペンとハミルトンの対決は最終戦までもつれ、ファイナルラップでフェルスタッペンがハミルトンを逆転して王者に輝き、メルセデスの連覇は途絶えた。
ウォルフは言う。
「F1にいる22人のドライバーはもちろん全員速い。でも、その中で〝特別な〟スピードを持っているのは、3人か4人くらいしかいない」
それがだれなのかはウォルフは明言しなかったが、その中のひとりは間違いなくフェルスタッペンであり、愛弟子のアントネッリも含まれていることは間違いない。

