甲子園の風BACK NUMBER
「なぜ横浜高・織田翔希を打てないのか?」今夏の甲子園最大のナゾ…対戦した7人が漏らした“困惑”「突然ボールが消えた」「言葉じゃ言い表せない」
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byJIJI PRESS
posted2026/08/17 11:05
2026年夏の甲子園で投球する横浜高・織田翔希
つづく八回、霞ヶ浦は上位打線に回る。ベンチから「初球を狙え」という指示が出た。霞ヶ浦が仕掛けた、二つ目の織田攻略策であった。
この回の先頭で打席に入った一番・加藤龍は言う。
「直球は全部振るつもりで。三球三振でもいいや、という気持ちで入りました。狙っていた直球が初球にきたんです。でも想定よりずっと速かった。僕も振り切ることはできたんですけど、叩ききれなかった。差し込まれました」
ADVERTISEMENT
八回裏、霞ヶ浦は4球で攻撃を終えた。
「突然ボールが消えた」対戦打者の新証言
角度とスピードに加えてもう一つ、気になる発言があった。
先に挙げた霞ヶ浦・八柳との問答に戻る。代打で送られた八柳は、ファウルで三球、織田に喰らいついた。しかし――。
「基本真っ直ぐで、スライダーも頭に入れていました。実際スライダーも来たんです、ボールだったので見逃しましたけど」
圧倒されながらも、そこまでは想定どおりだった。
六球目。織田の腕の振りから、真っ直ぐだと八柳は判断した。
「そしたら突然、ボールが消えました。スライダーでもなかった。最後の球はスプリットでした。腕の振りが同じなので、振りにいく始動に入ったときまでわかりませんでした。真っ直ぐの軌道だったのに、真っ直ぐじゃないのか、と。球が急に消えました」
150キロを優に上回る直球と、曲がる、落ちる変化球。それらを「同じ腕の振りで投げてくる」とは日南学園の選手たちも証言していた。
二回戦と三回戦、エース織田は試合途中からマウンドに上がった。計7イニングを投げた。
両校に許したヒット数はわずかに「1」である。
