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「ダルビッシュに申し訳なさすぎて」東北高4番の告白“人生で初めて本塁打を狙った日”「放心状態だった。自分のミスは自分で取り返さないと…」
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佐井陽介Yosuke Sai
photograph byAsahi Shimbun
posted2026/08/18 06:06
試合後の両チーム整列時、ダルビッシュは白熱の投手戦を繰り広げた千葉経大付のエース松本と抱き合い、笑顔で健闘を称え合った
3回戦の相手が東北に決まると、千葉経大付は投打で対策を練った。最先端の打撃マシンを借りて、ダルビッシュの多彩な変化球を設定した。打撃投手に数m前から投げさせて、最速150kmの直球をイメージした。宿舎に戻ってからも、狙い球について侃々諤々のミーティングを続けた。
千葉経大付は当時には珍しく大胆に守備シフトを敷くチームでもあった。映像を研究して各打者の特徴をホワイトボードに書き出し、「この打者にはこのコースに投げるから守備位置はこっち」と結論付けていく。だが、そんな緻密な分析をもってしても、ダルビッシュと強力打線を攻略する方法は最後まで探し出せなかった。
「打線にしたって、他のチームにいたらクリーンアップに入る打者ばかり。『まあ、みんなすごいから1人ずつ頑張って抑えるしかないね』となって、途中でミーティングを切り上げた記憶があります」
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松本がそんな風に苦笑いで振り返った通り、彼らは無欲に近い挑戦者の集団だった。一方の東北は勝利を義務付けられたエリート軍団であった。この背負うプレッシャーと立場の違いはのちに、雨中の熱戦で下馬評が覆される要因の一つとなった。
甲子園に広がるざわめき
試合は0-0のまま中盤に入った。雨は強まっていた。5回が終わるとマウンドに土が入ったが、効果は薄い。松本は「速い球を投げたい」という投手の本能に蓋をして、試合を壊さないことだけに専念した。
「1人1人、目先の打者を抑えることに必死でした。とにかくストライクゾーンに投げ続けて、打球が飛んだら野手の皆さんお願いします、みたいな感覚でした」
エゴを捨てた左腕の小気味良い投球は次々に仲間の好守を呼んだ。東北の打者たちに焦りの色が見え始めた。あれよあれよという間に6イニングが経過した。あの強力打線が1点も取れない。意外な展開を受けて、聖地は徐々にザワつき始めた。
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