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ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
「W杯で、ブラジルも倒せる能力は見せた。だが…」トルシエが“最も愛した記者”が死の直前まで続けた取材を公開《追悼・田村修一さん》
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph byKoki Nagahama/JMPA
posted2026/08/07 11:02
トルシエは日本の最大の敗因を明確に断言した。それは……?
「ブラジルは個の技術的なクオリティ、そして経験と大胆さ、つまり個の表現力で日本を上回っていた。日本は結束と連帯という、集団の表現力に頼るしかなかった。それでも前半は個を表現できる選手がいたが、後半は組織力だけになってしまった。それだけではブラジルの守備を崩すには十分ではない。だから、試合全体を通して考えれば、この結果は論理的なものだった」
——後半は特に左サイドのビニシウス・ジュニオールに苦労させられていました。
「それはそうだが、ビニシウスだけの問題というわけでもない。前線で、ビニシウスにボールを届ける仲間にプレスをかける勢いがなくなっていたからだ。堂安律、中村、鎌田、伊東を交代させた結果、グループから前半のような自信が失われた。それを見れば、彼らが日本の攻撃のカギだったことがわかる。だから、この試合に勝利するのはやはり不可能だったということだ。
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引き分けにできる可能性はあった。最後の3分間をしのいで引き分けにすることが、グループステージならできたかもしれない。しかし決勝トーナメントで勝利するためには、さらに別の力が必要だった」
日本の戦い方は1時間しか通用しなかった
——何が必要だったのでしょう。
「今回の前半で、日本はブラジルも倒せる、ということは示した。それでも、W杯の決勝トーナメントで1試合を勝ち切るという成果はまだ達成できず、将来のチャレンジとして残った。日本が最高のパフォーマンスを発揮するためには、全選手がそろい、怪我人がおらず、ポテンシャルをすべて出せることが絶対に必要だ。
そのためには、ヨーロッパのビッグクラブでプレーできる選手がもっと必要になる。これは経験の問題だ。日本は大きな進歩を遂げたことを世界に示しはしたが、今のところ日本の戦略はまだ試合のなかで1時間だけしか通用しない。W杯で1試合を勝ち切り、さらに遠くまで進むにはさらなるポテンシャルと経験が必要だ。つまり冒頭から言っているように、スカッドがまだ十分ではない、というのが私の意見だ」
——森保監督とコーチングスタッフは、マネジメントや戦術面で、できるかぎり高いレベルで十分な準備をできていたと思いますか?

