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野球クロスロードBACK NUMBER
祖父はあのPL学園“伝説の名将”、父も東北の強豪監督経験者でも…「なぜ他校へ?」佐野日大主将が選んだ“脱・サラブレッドの道”と「家族LINE」秘話
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田口元義Genki Taguchi
photograph by(L)BUNGEISHUNJU、(R)Sankei Shimbun
posted2026/08/06 11:02
佐野日大の主将として甲子園に出場する中村盛汰(右)。祖父はPL学園の名将・順司だが、そのPL学園で白球を追った父・猛安の想いとは?
盛汰が「好きな言葉」に挙げる「求道即人道」。これこそが、祖父の順司が掲げ、父も胸に刻んでいる「血」でもあるのだ。
「日大東北の野球を見たり、僕やオヤジたち家族の話を聞いて影響を受けたと思うんですけど、高校でも実践してくれていますよね。徳を積むことの大切さ。目の前のごみを拾う、道具をしっかり並べるとか、当たり前のことを浸透させていっているのかな、と。先輩がそういうことを率先してやる姿を後輩たちが学んで、佐野日大のいい伝統にしていってくれたらうれしいですよね」
サラブレッドが挑む「最後の夏」
PL学園の遺伝子を受け継ぎし佐野日大のキャプテンが甲子園に臨む。
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組み合わせ抽選会で引き当てた相手は聖隷クリストファー(静岡)。「大会屈指の左腕」の呼び声高い高部陸がいる難敵だ。
家族のグループLINEがざわつく。盛汰から言及はなく「やっちまった」を表すスタンプだけが送られてきた。
「貫汰なんかは『選手宣誓を引け!』みたいなメッセージをずっと送っていたり、家族間では結構、盛り上がっていたんですけどね。まあ、盛汰も覚悟を決めたんでしょう」
試合は大会2日目の第2試合。18時30分開始予定のため、ナイターとなる。カクテル光線を浴びながらのプレー経験が少ない盛汰が、父に助言を求める。
「150キロのボール、ちゃんと見えるかな」
声色に不安は感じられない。猛安は快活に、あえて荒々しく振る舞って盛汰を送り出した。
「お前なら、目をつぶってバットを振っても当たるわ!」

