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「あの横浜高を圧倒」公立校のリードオフマン、「未来の佐々木麟太郎」徳島のスラッガー…ベテラン記者が選ぶ高校野球“甲子園不出場”の逸材たち<野手編>
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2026/08/04 11:01
ベテラン記者も思わず「佐々木麟太郎になれる…」鳴門(徳島)のスラッガー・稲山壮真は県大会で姿を消した
宮本遊撃手は、打球が飛んでくる前の「準備」が素晴らしい。1球1球、重心を低く構えて、両腕の脱力が効いているので、グラブの位置が地面をこするほどに低い。下から、下から……指導者の方たちがよく叫んでいる「あれ」だ。そういう所作が、1球1球、試合の最後まで続く。見上げた心身の根気強さとショートストップとしての責任感。中高校生内野手のお手本になれる選手だろう。
「打てる遊撃手」というなら、東海大熊本星翔高・福島陽奈汰(176cm76kg・右投右打)に、宮崎学園高・久保田瑛大(182cm80kg・右投左打)。いずれも、フィールディングだって高校生の一級品に挙げられる腕前だ。
そして、最後に、この選手だけは忘れずに挙げておきたい。
“天下の横浜高”に怯む素振りなし…公立校の外野手
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市ケ尾高(神奈川)・北本悠真外野手(170cm70kg・右投右打)。小柄なリードオフマンと、それだけのことならここに挙げるわけがない。
横浜高を相手にした準々決勝だ。先発の150キロ左腕と評判の小林鉄三郎投手(2年)を向こうにまわし、初回、先頭打者として、最初のスイングで内角低めの難しいコースのクロスファイアーをジャストミート。猛烈な打球があっという間に三遊間を抜いていった。
さらに痛烈内野ゴロを2本打ったあとに、引っぱり過ぎを修正するように、やはり低めの速球を、今度は、当たったらケガするような打球で痛烈ピッチャー返しだ。
私たちから見れば、普通の公立校の一選手なのに、「天下の横浜高」を相手にしても、全くひるんだ所がない。それどころか、むしろ「相手になってやろうじゃないか!」とばかりに、果敢に戦いを挑んで、ジャストミートで「回答」を出してみせる。
こういう選手を「甲子園」のファンに見せたい。
ちなみに、この北本選手が使ってブンブン、フルスイングしていたのは、いつもと同じように「木製バット」だったのである。

