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甲子園の風BACK NUMBER
「一般入試9割で甲子園」福岡の東筑はなぜ強い? 野球部から東大合格の公立進学校「高校野球は人間形成が目的ではない」「勉強する習慣は絶対に必要」
posted2026/08/05 11:35
東筑野球部の練習場は「共用グラウンド」。他部の生徒同士で声をかけ合うことで成り立つ
text by

樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph by
Yuki Kashimoto
◆◆◆
福岡県北九州市にある東筑高校は県内屈指の進学校だ。完全下校は20時。部活に使える時間は限られている。下校してそのまま塾に通う部員も多い。
にもかかわらず、東筑野球部は今夏を含めて甲子園に夏7回出場している。1学年280人のうち9割が一般入試、1割が推薦入試で合格した生徒たちだ。推薦内容は、学習、特別活動、生徒会。「特別活動」が理由で合格した生徒は、野球部、ラグビー部、男女バレー部などに入る。スポーツクラスはない。
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長時間練習も、丸刈りの強制も、寮もない。それでも勝つ。なぜなのか。
東筑野球部を強くした男
東筑野球部を語るうえで、外せない重要人物がいる。現役時代に主将として甲子園に出場し、その後、監督としても東筑野球部を強化した前監督、青野浩彦である。
青野が東筑野球部の120周年記念誌に寄稿した文章を抜粋したい。
<東筑高校は超進学校です。昔とは違い、20時までに完全下校という校則があり、練習時間は限られています。そのため、合理的な練習メニューを作ることを考え、常に勉強して進化させねばならない。なぜこの練習をすべきか、何に役立てるのか、自問自答しながら内容を考えていました。生徒たちの自主性と、自分たちで考えるということも大事にしました。やらされるのではなく、自らやること。野球が大好きで入部してきた選手たち。人間形成が目的ではなかったと思います。大好きな野球を頑張る中、悩んだり、苦しんだり、怒ったり、泣いたり、笑ったり、一つ一つ乗り越えて人間力は身についていくものだと考えています。強くするために、無理やり傷つけたり、追い込んだりして、苦しめなくていいんです。これは36年間、監督をしてきた私の考えです>
青野の言葉をたどると、東筑野球部の実態が見えてくる。

