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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「狙いすましたワンツーがアゴをとらえて」寺地拳四朗34歳の最終章…元世界王者・飯田覚士が語る井上尚弥も成し遂げていない3階級団体統一王者に向けて
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/07/24 17:01
34歳にして3階級制覇を成し遂げた寺地拳四朗
「当てないワンから思い切り伸ばしたツーで当て切ったあのダウンは、前回の(リカルド・)サンドバル選手から奪ったものと似ています。つまりは得意なパターン。フェイントを掛けたら左フックを合わせようとしてきたのが分かったので、(当たらないように)ちょっと頭の位置をずらしてから先に当ててやるというスピードで、それも的確にアゴを捉えている。素晴らしい、の一言に尽きます」
8、6、4ポイント差の3-0判定勝利。寺地にとっては危ないシーンもなく、難敵ゴンサレスに完勝しての3階級制覇達成になった。
3階級での団体統一王者に向けて
34歳ながら、かつ転級初戦でこれだけのパフォーマンスに飯田は舌を巻く。
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「井上尚弥選手が階級を上げるメリットを示したように、スピードもパワーも増すというところは今回の拳四朗選手でも見えた部分であり、ボクシングの質そのものもワンランク上がっていました。磨きが掛かったパンチは、距離感を意識したフットワークによるものだとは思います。そして一番の変化、成長というのはやっぱり相手の出方に応じてラウンド内で戦い方を変えられるようになったこと。これまでは加藤(健太)チーフトレーナーの指示どおりに忠実にやれる強みが目立っていましたけど、より自分の感覚に従っていたように見えました。加えて相変わらずの無尽蔵のスタミナも忘れてはいけませんね。
昨年7月にフライ級のタイトルを失って、12月には試合直前で相手の体調不良で試合がキャンセルになって世界挑戦ができなかった。相当苦しい1年だったとは思います。でも挫折を乗り越えて、心身ともに強くなった。1年間のブランクも、これだけのキャリアのある選手ですからあまり関係ない。逆に自分を見つめ直すにはいい期間になったような気もします。これからは彼が言うように『最終章』ではあるんですけど、スーパーフライ級での今後が非常に楽しみになる一戦になりました」
かつてパウンド・フォー・パウンドランキングに名を連ねた男が、進化を遂げて世界のベルトを手にした意義は大きい。狙うは井上尚弥もまだ成し遂げていない3階級での団体統一王者だという。最終章の寺地拳四朗、「最終形態」の進化はまだ先にある。
<前編から続く>


