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試合直前にあった“伏線”「この表情を見てみなよ」3階級制覇・寺地拳四朗のトレーナーが明かす完勝ウラ側…34歳でも「もっと成長できる」と感じた理由
posted2026/07/24 17:55
3階級制覇を成し遂げた寺地拳四朗(34歳)。2度のダウンを奪う完勝劇のウラには、緻密な戦略と試合直前の“意外な伏線”があった
text by

渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Hiroaki Finito Yamaguchi
7月20日、東京・両国国技館「U-NEXT BOXING.6」でWBOスーパーフライ級王座決定戦のゴングが鳴り、元2階級制覇王者の寺地拳四朗(BMB)が同級4位イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)から2度ダウンを奪って3-0判定勝ち。昨年7月、フライ級2団体王座から陥落して以来の王座返り咲きを果たすとともに、日本人選手8人目となる3階級制覇を達成した。階級アップ初戦で快挙を成し遂げた今回のファイトを寺地の参謀、三迫ジムの加藤健太トレーナーとともに振り返る。
緻密に練り上げた「拳四朗のボクシング」
寺地は昨年暮れ、サウジアラビアで行われる予定だったIBFスーパーフライ級タイトルマッチを、王者ウィリバリド・ガルシア(メキシコ)の突然の体調不良で試合前夜にキャンセルという不運に見舞われた。1年ぶりの試合は階級アップ初戦にして王座陥落からの再起戦。不安要素は確かにあった。
対戦相手のゴンサレスはこれまで5敗しているものの、軽量級のビッグネーム、ジェシー・“バム”・ロドリゲス(米)やロマゴンことローマン・ゴンサレス(ニカラグア)、ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)といった強豪と数多く拳を交え、決して侮れる相手ではなかった。
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加藤トレーナーは戦前、ゴンサレスを「相性のいい部分もあるし、悪い部分もあると思っていた」と分析していた。
「相性がいいと思ったのは、ゴンサレス選手の足が(上体と)一緒に動かないところ。あれなら拳四朗の足で外せるんじゃないかと思いました。相性が悪いと思ったのは、引き込んで入り際にパンチをまとめるところ。足を止めて打ち合うと強い。だから相性の悪いところではなく、相性のいいところで勝負できるように拳四朗のボクシングを作りました」
寺地はスタートから広いスタンスで足を小刻みに動かし、バックステップを駆使しながらボクシングを展開した。まるで計12度の防衛を果たしたライトフライ級時代を彷彿とさせるスタイルだったが、加藤トレーナー曰く「戻したというよりは、この相手に一番効果的なスタイルを選択した」。相手が違えばまた別の戦術を選んだというわけだ。

