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「嫉妬していた」ソフトバンク“期待されてなかった男”中村晃はなぜ超一流になれたか? 「言葉は悪いんですけど…」ファン大歓声は“努力の人”への祈りだった
text by

田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byNanae Suzuki
posted2026/07/06 11:00
今季限りでの引退を表明したソフトバンク中村晃
小久保監督はプロ野球選手を指したのだろうが、それは誰の人生にも通じるのではなかろうか。
中村への大歓声は「祈り」だった
あふれんばかりの才能に恵まれている人なんて少数派だ。中村晃は遠くの英雄ではなく、我々の近くにいるヒーローなのかもしれない。
だから中村晃は愛されるのだろう。
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中村晃が打席に向かう時に流れる、世界的歌手のエド・シーランの代表曲「Shape of You」は、ソフトバンクのお膝元である福岡の地元民はさも当然の顔で「中村晃の曲」と答える。あのイントロが球場に流れた瞬間、数万人の大歓声が沸き起こる。ただの歓声ではない。ファンがあらんかぎりに声を張り上げるその叫びは、まるで切なる願いや祈りにも聞こえるのだ。
小久保監督は「まだお疲れさんとは言わない」と言った。
「戦力として考えている。8、9月の終盤に代打の切り札として、状態が良ければファーストのスタメンとしても考えているし、優勝へのピースとして考えている」
中村晃は勝つことに執着してきた。チームが勝つ。チーム内の競争に勝つ。そのために自分に勝つ。
引き際は決めたけどやることは最後まで変わらない。引退会見の当日も、タマスタ筑後に赴いていつもと変わらぬ準備でファーム戦のナイターに臨んだ。9回裏、代打で打席に立つと、中村晃らしい流し打ちでレフトへライナーを運ぶ鮮やかなヒットを放った。
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