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「石井さんには、実力がないから」!? 主砲・石井浩郎に“年俸6割ダウン”と心ない言葉を…「お金が絡むと大阪の商人になっちゃう」近鉄の真相

posted2026/07/01 11:30

 
「石井さんには、実力がないから」!? 主砲・石井浩郎に“年俸6割ダウン”と心ない言葉を…「お金が絡むと大阪の商人になっちゃう」近鉄の真相<Number Web> photograph by Koji Asakura

主力選手が次々去っていくなか、長く4番を務めた石井にも球団から信じられない仕打ちが

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喜瀬雅則

喜瀬雅則Masanori Kise

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Koji Asakura

1995年、野茂英雄は海を渡りドジャースに入団。彼が切り開いた道が、のちのイチロー、松井秀喜、松坂大輔、そして大谷翔平までつながった。しかしそれはなぜ可能になったのか? 野茂が“革命”を起こす前年に近鉄で起きていたことを当時の関係者の証言で丹念に解き明かしたノンフィクション書籍『革命前夜 追憶の近鉄バファローズ1994』が発売となった。野茂が結局日本球界を去る決断の一因となった、近鉄のちぐはぐな対応。そして主砲・石井浩郎がかけられた「とんでもない言葉」について、本書から紹介する。〈全2回の2回目/前編へ

 野茂、阿波野秀幸、吉井理人、そして「ついに俺にも来たか、と思いました」という石井の述懐は、長い年月が経っても、そのショックの大きさを物語っている。

「近鉄球団から、野茂もいろんなことを言われていたし、選手を大事にしないよな、と思っていたら、今度は自分でした。6割カットで来たんですよ。こっちの主張は、3分の2のカットとなれば、もう基本は自由契約ということですよね、って揉めたんですよ」

 選手の同意がなければ、減額制限を超えての減俸はできない。石井は、全くもって同意していない。この時点で、球団はもはや“野球協約違反”を犯しているのだ。

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 納得しろ、という方が難しいだろう。

「石井さんには、実力がないから」

 その激しいやりとりの中で、石井は自身への“絶望的な評価”を聞かされることになる。

「なんでですか? なぜ6割以上の年俸カットなんですか、と社長に聞いたら『石井さんには、実力がないから』って言われたんですよ」

 売り言葉に買い言葉なのか。いや、もはや説得する気がないのか。故障で2年連続不本意な成績とはいえ、94年には打点王にも輝いた球界を代表するスラッガーの一人に、リスペクトのかけらも感じられない。

 当時の球団社長・筑間啓亘を、私は残念ながら直接取材した機会がなかったので、その印象を推察することはできないが、石井が振り返ってくれたその状況に「マジですか?」と思わず突っ込んでしまったほどだった。

【次ページ】 お金が絡んでくると大阪の商人になっちゃう

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