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「嫉妬していた」ソフトバンク“期待されてなかった男”中村晃はなぜ超一流になれたか? 「言葉は悪いんですけど…」ファン大歓声は“努力の人”への祈りだった
text by

田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byNanae Suzuki
posted2026/07/06 11:00
今季限りでの引退を表明したソフトバンク中村晃
「いつもなら何でも相談してきたんですけど、ずっと自分が長くやってきた野球だったので、そこは誰にも相談することなく自分の決断をしたいと思っていたので、突然ではあったんですけど『今シーズンで選手を終わろうと思います』と伝えました。最初は信じられないような感じだったと思います。『でも決めたことなんでしょ』と言われました。もう少し長く現役を続けたい気持ちはもちろんありましたし、でも結果がすべての世界なので、最後は自分でしっかり身を引きたいなと思ったので、そこを勝手に決断したのは少し申し訳なかったなと思います」
中村晃は言った。
「最後は自分でしっかり決断するっていうのが、野球に対しても、これまでやってきた自分に対しても、最大の敬意なのかな」
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職人肌で知られる中村晃らしい人生観が、そこにはあった。
柳田悠岐、今宮健太らに「嫉妬も」
通算1520安打。レギュラーに定着した2013年から3年連続打率3割をクリアし、14年には最多安打のタイトルを獲得した。間違いなく黄金期のソフトバンクに欠かせなかった1人だった。時を同じくしてチームの中心選手となり、現在も同じユニフォームを着続けている柳田悠岐と今宮健太は大事な戦友だ。中村晃は「登録抹消された時点で、柳田さんと健太には伝えました。ずっと戦ってきた2人なので、特別な思いがある。一番先に伝えたいと思った」と話している。
一方で、こんな本音も口にした。
「試合に出だした時期も同じくらいでしたけど、境遇は違うと思います。柳田さんと健太はすごく期待されて。その期待に応えていったっていう素晴らしい選手だと思います。僕は僕で、なんていうんですかね、道のないところから自分で道を作っていったと自分では思っているので。まあ、2人に嫉妬することもありましたし。若い時は羨ましいなと思うこともたくさんありました。でもやっぱり2人がいたからこそ自分も成長できた、ここまでやってこられたなと思います。常にグラウンドに一緒にいましたし」
中村晃は一軍デビューを果たすまで4年かかっている。レギュラーを掴んだのは6年目だった。
まだ二軍選手だった頃の中村晃を米国アリゾナの自主トレに帯同させたのが、当時キャプテンで4番打者だった小久保裕紀監督だ。

