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「嫉妬していた」ソフトバンク“期待されてなかった男”中村晃はなぜ超一流になれたか? 「言葉は悪いんですけど…」ファン大歓声は“努力の人”への祈りだった
text by

田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byNanae Suzuki
posted2026/07/06 11:00
今季限りでの引退を表明したソフトバンク中村晃
「レギュラーすら厳しいだろう」
小久保監督に述懐してもらった。
「あの時はフロントから連れて行ってくれと言われて。明石(健志=現ソフトバンクR&Dグループスキルコーチ)、長谷川(勇也=現ソフトバンク一軍打撃コーチ)、岩嵜(翔=現オリックス)に晃も入っていて。それまで晃とは話もしたことがなかった。あの時は1500本もヒットを打つ選手になるとは思わなかった。むしろ、正直レギュラーになるのもキツイやろうなと思っていました。特徴がなかった。体格は小柄、べつに足は速くない、肩も強くない。言葉は悪いんですけど、光るものがなかった」
中村晃といえば卓越したバットコントロールとミート力で狙いすましたようにヒットを重ね、レフティースナイパーの異名をとった。小久保監督も当時からその技術力は認めていた。ただ、ドラフト指名を経てプロ野球の門をたたく選手たちは皆、一定以上の技術を誰もが持ち合わせているのが大前提。そのうえで体格なりパワーなりスピードなり、何か1つでも秀でた才能の上に技術を磨いて乗っけていく選手が超一流になれる。そのような見方をされることが多いのだ。
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そんな中村晃がどうして、トップクラスの息の長い選手になれたのか。
なぜ超一流になれたか?
小久保監督が言葉を継ぐ。
「自分の目標設定をしっかりして、やるべき努力を続けたら、あれだけの成績を残せる。絶対にこの世界でレギュラーをとるという信念。周りから聞こえてくる評価とか一切関係なく、自分が目指す道がブレなかった。普通は大体、周りの評価とかで自分の中で諦めとかこれくらいまでかなという決めつけが出てくる。だけど彼は信じた目標設定から全くブレなかった。それがすべて。それって物凄く難しいこと。そして、レギュラーをとっても毎年外国人獲得とか補強があって、常に競争にさらされながらここまで来た。自分の中で相当な信念を持っていないと競争にも生き延びられなかったでしょう」
想いを口にする中で小久保監督は、「まあ同じようなタイプの人からすればお手本じゃないですか」と言った。

