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久保建英不在でも日本代表ゴールラッシュのキーワード「ポケット攻略」「ビエルサライン」とは…「じつは1年かけて徹底的に準備」取材記者が知る背景 

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佐藤景

佐藤景Kei Sato

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photograph byTakuya Kaneko/JMPA

posted2026/06/24 12:28

久保建英不在でも日本代表ゴールラッシュのキーワード「ポケット攻略」「ビエルサライン」とは…「じつは1年かけて徹底的に準備」取材記者が知る背景<Number Web> photograph by Takuya Kaneko/JMPA

チュニジア戦、4点目をアシストした佐野海舟。「ポケット攻略」の真骨頂だった

 トレーニングでは、1トップやシャドー、ボランチだけではなく、時に左右のセンターバックが走り込むケースもあった。

 実際、オランダ戦では3バックの右センターバックを務めた渡辺剛がポケットへ走り込み、中央の谷口彰悟もポケットからクロスを上げるシーンがあった。昨年3月に北中米ワールドカップの出場権を得て以降、チームは段階的にポケット攻略に取り組んできた。今年5月の合宿からは最終段階に入っていたが、その効果が、オランダ戦、そしてチュニジア戦で見て取れた。

伊東純也がポケットにボールを差し込むと…

 チュニジア戦は試合早々にゴールを奪ったこともあり、前述のような「第4列(CB)」の選手が果敢に走り込む場面こそ少なかったが、第3列(ボランチ)の選手はきっちりここを陥れて、ゴールを導いている。

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 場面は後半、日本が右サイドから攻め立てる局面だった。幅を取っていた伊東純也がボールを持つと、チュニジアの守備陣の視線は一斉に伊東へと集まる。その瞬間、伊東は相手のディフェンスラインの背後、まさに「ポケット」へ向けて絶妙なタイミングでボールを差し込んだ。

 そこへ飛び出してきたのが、右ボランチの佐野海舟だった。

 佐野は相手のマークが緩んだ隙を見逃さずにスプリント。伊東からのパスをポケットの深い位置、ビエルサラインの外側で引き取り、素早くクロスを送った。すると、ファーサイド側の〈内側〉で待っていた上田綺世が打点の高いヘディングシュートを放ち、自身この日2点目となるゴールを突き刺した。

久保不在の緊急事態でもパニックに陥らず

 チュニジア戦をベンチで過ごした小川航基は一連のプレーについて「フォワードの役割としてはやっぱり得点を取ることを課せられているので、ああいったボックスへの侵入は、相手を『ウイングがあそこまで守備しなきゃいけないのか』と迷わせると思う。そこが綺世の2点目…海舟からのクロスも素晴らしかったし、僕らが今まで積み上げてきたものが出たので、そのあたりは自信が持てました」と話し、こうも説明した。

「ビエルサラインに沿って海舟が抜け出したときに、海舟がどういう状態なのかが一番大事。FWとして、体勢的にファーに上げられるのか、ニアにしか物理的にボールが届かないのかは分析しています」とチームの狙いが実ったゴールだったと説明した。

 チームの4点目となったこのゴールは、個人のひらめきの連鎖ではなく、チームとして意図的に相手の最も嫌がるスペースを共有し、そこを突くためのディテールを徹底して仕込んできたからこそ生まれた、極めて再現性の高いものだった。

【次ページ】 敵将「日本は何年もかけて構築している」

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