水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
「鎌田大地のシャドー起用」「縦パス重視」に見た森保采配の真髄「誰が出ても、誰と組んでも」勝負のスウェーデン戦で披露する“新たな引き出し”とは
posted2026/06/24 11:00
森保監督が浸透させてきた多彩な戦術がチュニジア戦で生きた
text by

水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
◆◆◆
強いぞ、日本! チュニジアとの第2戦は、誰もがそう実感した試合になりました。
W杯では2002年日韓大会のたった1度しか勝ったことがなかった2戦目という“鬼門”も難なく乗り越えました。それは森保一監督(57歳)が掲げる『誰が出ても、誰と組んでも機能する』というチームスローガンがしっかり染み付いていることを証明していました。
鎌田のシャドー起用が示したもの
ADVERTISEMENT
大会前に三笘薫(29歳、ブライトン)、南野拓実(31歳、モナコ)、遠藤航(33歳、リバプール)が怪我でメンバーを外れ、初戦のオランダ戦では久保建英(25歳、レアル・ソシエダ)までもが左膝を負傷。これまでの日本だったら、対処してもしきれない非常事態になっていたと思います。
対するチュニジアは初戦後にサブリ・ラムシ監督を解任し、前サウジアラビア代表監督のエルベ・ルナール氏を招聘。自チームに向けてはカンフル剤として、日本に対しては“監督解任ブースト“のような形で動揺を仕掛けてもいました。攻めてくるのか、守りを固めてくるのか……。相手がどう動くのか、誰にも分からないという不気味な状況だったと思います。
それでもこのチームは慌てない。その一つが、先制ゴールを決めた鎌田大地(29歳、クリスタル・パレス)のシャドー起用でした。FWの後ろで影のように相手の死角をつきゴールを狙い、チャンスメークもするこのポジションは、彼の持ち味を最も生かした持ち場です。本人は8番(インサイドハーフ)や6番(ボランチ)が「自分の理想」と話していましたが、この大会に向けて森保監督はどの選手にも複数ポジションを課してきましたから、鎌田のシャドー起用も全く違和感がありませんでした。

