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“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
「家に帰れ!」小川航基が恩師と繰り広げた、ケンカの記録…帰宅命令に舌打ち→早朝7時の謝罪「W杯オランダ戦劇的ドロー」立役者の知られざる原点
text by

安藤隆人Takahito Ando
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2026/06/19 11:08
ケガや不遇の時間を経て、W杯のピッチに辿り着いた小川航基(28歳)
その年の夏、もう一つ大きな衝突が起きた。
8月の兵庫インターハイ。超高校級と謳われていた小川を擁する桐光学園は、上位進出が期待されたが、1回戦で京都の久御山高を相手に苦戦を強いられた。小川自身は2ゴールの活躍を見せたが、チームは2-2のPK戦の末にまさかの初戦敗退。事件はその後に起こった。
選手たちは悔しさを滲ませながら、ベンチから200mほど先にあった控室用のテントに戻った。その道中、小川は筆者の取材を受けている。
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「こんな形で負けるとはまったく想像していませんでした。僕自身、この大会はプロのスカウトにたくさん見てもらえる場所で、自分の未来に直結する大会だと位置付けていました。この結果は受け入れられないし、僕がもっと決めていたら、と思っています」
厳しい状況でも下を向くことなく、真摯に受け答えする姿に好感をもった。テントに戻った小川を見届けてから、今度は鈴木に話を聞こうとテントに近づいた。その時だった。いきなり怒号が響いた。
「ダラけているわけじゃないですよ!」「俺も勝ちたかったし、めちゃくちゃ悔しいんですよ!」
小川の声だった。驚いた。先ほどの冷静な受け答えとは打って変わって、感情が溢れ出ている。一人の高校生があそこまで監督に対して強い口調で自分の思いをぶつけている。真相が気になった。
テントの中で激しい口論が繰り広げられた後、小川は目に涙を浮かべてテントから出てきた。さすがに声はかけられなかったが、去っていく彼の背中からは怒りと悲しみが滲み出ていた。
監督との二度目の衝突――。一体、何が起きていたのか。〈つづく→後編〉

