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“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
「家に帰れ!」小川航基が恩師と繰り広げた、ケンカの記録…帰宅命令に舌打ち→早朝7時の謝罪「W杯オランダ戦劇的ドロー」立役者の知られざる原点
posted2026/06/19 11:08
ケガや不遇の時間を経て、W杯のピッチに辿り着いた小川航基(28歳)
text by

安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
北中米W杯グループステージ初戦。オランダを相手に価値ある「勝ち点1」をもぎ取ったのは、小川航基(28歳)の“頭”だった。限られた時間の中で結果を残した勝負強さは、どこからくるのか。高校時代の恩師と繰り広げた、ケンカの記録――。〈全2回の前編〉
小川航基が大きな仕事をやってのけた。
オランダ1点リードで迎えた88分、小川は相手のマークを振り払うと、伊東純也の右CKのボールを頭でとらえた。完璧にミートしたヘディングシュートは鎌田大地の頭をかすめてゴールに突き刺さったことで、公式記録では鎌田のゴールとなったが、間違いなく小川のヘッドが歓喜の瞬間を生み出した。
小川に「9番」を託した監督
ダラスのピッチで喜びを爆発させる小川の姿を見て、我がことのように喜んでいたのは、桐光学園高校時代の恩師・鈴木勝大監督だった。涙が溢れてきたのは、教え子が決定的な仕事をしたからではなく、テレビ越しに見た小川の表情に、当時の記憶が蘇ってきたからだ。
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「航基のところにボールが引き寄せられたんだと思う。交代でピッチに入るとき、『俺が絶対にやってやるんだ』という強い覚悟と信念を感じた。高校時代からずっと変わらない芯の強さがあの表情に凝縮されていた。それが僕にとって一番嬉しかったんです」
高校時代、鈴木はトップ下として入学してきた小川に「お前は本物のストライカーになれる」と最前線のポジションを与え、1年生の時から試合に起用してきた。小川が「10番」を欲しがったときも、あえて「9番」を託してストライカーとしての自覚を促した。
それほどの期待を寄せていたゆえに、小川と鈴木監督は幾度も衝突してきた。


