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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「オランダ1部で得点王」上田綺世27歳の“再現性”はこうして生まれた「1年目は苦労して…そこからキャリアを好転させる」法政大学時代の恩師が証言
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/06/13 11:02
オランダ1部フェイエノールトで25得点をマークし、得点王となった上田綺世。「積み重ね」を重視する考え方は大学時代から変わらない
3-4-2-1のシステムを採用する日本代表においても、1トップのファーストチョイスの地位を固めてきた。上田が最前線で起点になることで、中盤のタレントが個性を発揮できている。
「日本代表も中盤にいい選手がいて、最前線で壁になる彼の存在はチームとしても助かるでしょうし、そこの技術的なレベルが上がったことで彼自身のプレーの幅が拡がったと思います。ひいては、日本代表の攻撃の幅も拡がって、そのなかで自分の形で点を取る仕事もしていますし。フェイエノールトへ行ってポストプレーの質が上がったのは、その意味でもすごく良かったのでは」
挫折から成功をつかむ「上田綺世のサイクル」
そして迎える今回のW杯で、長山は「上田のサイクル」に着目する。
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「彼は鹿島の育成組織からユースに上がれなかった。その悔しさをバネに、高校、大学で成長してプロになった。鹿島の1年目、フェイエノールトの1年目も苦労した。そこからキャリアを好転させる、というサイクルがあります。W杯でも前回は結果を出せなかったけれど今回は……というのは僕の個人的な感覚としてあります」
日本人離れした身体能力を持ち、再現性を求めて思考を働かせ、CFに必要な技術を高めていった。それら3つの要素を高い次元で融合することにより、上田は自分なりの「個」を確立している。
「これも思考の一種かもしれませんが、細かいことを気にしない器の大きさがあります。失敗を引きずらない。過去は変えられないので、いまを大事にする。そういうマインドセットですね」
自己分析に優れるからなのか、取材に応じる上田は落ち着いた印象を与える。ブラジル撃破の歴史的なヘディングシュートを決めた試合後も、喜びを口にしながらも表情は崩さなかった。長山が知る上田も、「めちゃくちゃ喜ぶ感じではないかも」というものだ。
自身2度目のW杯で、ゴールネットを揺らしたら。その一撃が勝利につながったら。
上田はどんな表情を浮かべるのだろう。全身を貫くような歓喜を、思う存分に爆発させるのだろうか。
「そういう姿を何度も見たいですね」
長山の思いが、ダラスへ、モンテレイへ届き──。結実の瞬間を、楽しみに待ちたい。
<前編とあわせてお読みください>

