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「W杯日本代表史上初のキャップ1で選ばれた男」塩貝健人(21歳)とは何者か? 目標は得点王「大会で一番、点が獲れるように」ビッグマウスの真意
posted2026/06/12 17:05
日本代表史上初めてキャップ1でW杯本大会メンバーに選ばれた21歳のストライカー・塩貝健人
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Kiichi Matsumoto
塩貝健人は、両手を腰にあててタオルを噛んでいた。
ワールドカップ本番までの最後のテストマッチとなった国立競技場でのアイスランド代表戦。日本代表史上初めてキャップ1で本大会メンバーに選ばれた21歳のストライカーは、後半28分、中村敬斗に代わってピッチに入ったものの、シュートチャンスをつくれなかった。その悔しさが試合後の表情に滲み出ていた。
結果を出してやる――。
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彼の全身全霊のプレーを見れば、口に出さずとも伝わってくる。塩貝に引っ張られてチーム全体のギアが上がっていく。同じくスコアレスの状況で投入され、彼がアシストしたスコットランド戦のようであった。
菅原由勢のクロスに小川航基がヘディングで合わせた先制ゴールのシーンにも、塩貝はしっかりとかかわっている。菅原が右足に持ちかえる前、前にスペースを空けてボールを呼び込んでおり、クロスが送られた際もニアに入って相手の背中を取ろうとしていた。一つひとつにアクションを取る塩貝の後ろに小川がいた。NEC時代の同僚であり、クロスに対する入り方も小川から学んだという。ゴールを挙げてガッツポーズを繰り出す彼のもとに真っ先に駆け寄って祝福した。
守備でもド迫力があった。チームは1点リードして以降、3-1-4-2から5-4-1にシフト。塩貝は右サイドに回り、44分には猛烈なプレスバックで相手からボールを奪い取り、体を激しくぶつけられても失わない。スタンドにどよめきが起こり、拍手が注がれる。アディショナルタイムでは再度、味方を助けるプレスバックで勢いあまって自陣でファウルとなったのは反省点だとしても、勝利に対する気概はチームメイトを奮い立たせるものであった。
ゴール、アシストという個人的な結果に絡めなかったとはいえ、勝利という結果に貢献したことは間違いない。日本代表の一員として国内初お披露目の一戦、まずまずのインパクトを残した。
あれほど悔しがらなくてもいいと思えたが、一方で彼の実直ぶりを表わしてもいた。
試合の4日前にアイスランド戦に向けて日本代表に合流するためドイツから帰国。入れ替え戦に敗れ、所属するヴォルフスブルクのブンデス2部降格が決まったものの、気持ちを“ワールドカップモード”に切り替えていた。
今大会の目標は「得点王」
羽田空港から都内に移動する車中で「運命を変えたスコットランド戦の12分間」をテーマにインタビューし、その内容は6月11日発売のNumber誌に掲載している。彼の話を聞いた後、このアイスランド戦を眺めてみれば彼が思い切り悔しがるのは理解できた。NumberWebに掲載する本稿は、そこに焦点を当てていきたい。

